歌い継ぐ名曲「旅愁」

清香会会長  北里 美知子

清香会の皆様、如何お過ごしでいらっしゃいますか。ワクチン接種や公衆衛生への配慮など、より良い未来のためにそれぞれ歩みを進めていらっしゃることと存じます。
 そんな中、昨年の北京五輪パラリンピック閉会式で「送別」という美しい曲が流れ、話題になりました。それは犬童球渓作詞の「旅愁」と同じメロディだったからです。
 「旅愁」の作曲はアメリカ人オードウェイです。作詞は音楽教諭として明治41年より10年間、県立高等女学校(後の県立第一高等女学校)で教壇に立たれた犬童球渓先生の名曲です。この曲に中国語の歌詞がつけられ、中国で人気の楽曲「送別」となっていました。
 まさに国境を越えて第一高校とゆかりの深い音楽が世界の人々に届けられたできごとでした。
 明治の時代から諸先輩方が培われた本校の精神は、現在の第一高校生の心へ脈々として受け継がれております。その凛とした精神がこの困難な時代を乗り越える新しいエネルギーとなりますことを信じ、私達は若い後輩達を応援し続けたいと思います。ここには、平成男女共学11年目を迎えた第一高校生の若々しい姿があるからです。
 さて今年度は、伝統ある清香会の行事が少しずつ再開できますよう心を合わせて参りたいと存じます。
 また2023年に迎えます母校創立120周年をを全ての会員の皆様と共に祝うことができますよう願っております。皆様のご健勝を心から祈念申し上げてご挨拶とさせていただきます。